お知らせ
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歯の本数が減ってくると、「硬いものが食べづらい」という実感を持つ方は多いでしょう。
しかし、問題はそれだけではありません。
実は、歯の数は“体をつくる栄養”の摂取量にも影響することが分かっています。
特に重要なのがタンパク質です。
タンパク質は筋肉、皮膚、血液、免疫細胞など、体の材料そのもの。
高齢期においては、フレイル(虚弱)やサルコペニア(筋肉量の減少)を防ぐためにも、十分なタンパク質摂取が欠かせません。
研究では、歯が20本以上ある人を基準(100%)とした場合のタンパク質摂取量の比較が報告されています。
- 歯が10~19本ある人では、総タンパク質摂取量はわずかな減少(0数%程度)で、統計的にも大きな影響はみられません。
→ 10本以上あれば、ある程度はカバーできる可能性があると考えられます。
ところが、
- 歯が0~9本になると、タンパク質摂取量は2%以上低下するという報告があります。
2%という数字は小さく感じるかもしれません。しかし、これが毎日の積み重ねとなると、筋肉量の維持や免疫力にじわじわと影響していきます。
歯が少なくなることで、肉類や魚、ナッツ類、豆類といったタンパク源を避ける傾向が強まり、やわらかい炭水化物中心の食生活に偏りやすくなります。これが栄養バランスの崩れにつながるのです。
しかし、ここで希望があります。
入れ歯を適切に使用した場合、減少したタンパク質摂取量は7割から8割程度改善可能であることも報告されています。
つまり、
健康維持の第一条件は「歯をできるだけ保つこと」。
そして第二の条件は「失った場合は、適切な入れ歯で機能を補うこと」。
歯を失ったからといって、栄養状態まで失う必要はありません。
補うことで、食事の幅は取り戻せます。
噛めることは、見た目の問題だけではありません。
それは「体をつくる力」を支えることなのです。
【入れ歯ドクター大坪 コメント】
入れ歯は「見た目を整える道具」ではありません。
本来の目的は、“食べる機能を回復すること”です。
患者さんの中には、「やわらかいものだけで十分」とおっしゃる方もいます。しかし、栄養の観点から見ると、それは長期的に見て大きなリスクになる可能性があります。
しっかり噛める入れ歯は、
- 肉や魚を避けなくてよくなる
- 外食や会食が楽になる
- 体重や筋肉量の維持につながる
結果として、健康寿命の延伸に寄与します。
入れ歯は“最後の手段”ではなく、
“健康を守る補助装置”です。
地域の皆さまへ:神楽坂を中心に、広いエリアからのご相談
当院には、神楽坂を中心に、飯田橋・四谷・文京区からも多くのご相談をいただいています。
「何件も歯科医院を回ったが、入れ歯についてじっくり話を聞いてもらえなかった」
「インプラント以外の選択肢を、きちんと説明してほしかった」
そうした思いを抱えて来院される方が少なくありません。
地域に根ざした入れ歯専門のプライベートオフィスとして、“最後に相談できる場所”であることを大切にしています。
本ブログの根拠となる代表的エビデンス
- 歯数と栄養摂取の関連:Nowjack-Raymer RE, Sheiham A. Association of edentulism and diet and nutrition in US adults. J Dent Res. 2003.
- 歯の喪失とタンパク質摂取量の関連:Yamamoto T et al. Tooth loss and dietary intake in older adults. J Dent Res. 2011.
- 補綴治療と栄養状態の改善:Moynihan PJ et al. The impact of dentures on nutritional intake and status. J Dent.2000.
- 口腔機能とフレイルの関連:Tanaka T et al. Oral health and frailty in older adults. J Gerontol A Biol Sci Med Sci.2018.
歯の保持と適切な補綴治療は、単なる咀嚼の問題ではなく、全身の栄養状態と健康維持に直結する重要な医療課題であることが、これらの研究から示されています。